幸せな結末

Happy End

Many Moons

森は生きているが解散した。

正直な話、長続きするたぐいのバンドでは決してなかったから、大して驚きはしなかった。2nd発表以降、新曲を録ったりしている様子もなかったから、うすうす感づいていたのかもしれない。
ここに、考えるべき重要な問題がある:

彼らが残したあまりにも素晴らしい2枚のアルバムは、果たして邦楽ロック史にインパクトを残せたのか?

答えは、まだわからない。しかしまず言えるのは、大衆と評論家からの正当な評価を、リアルタイムでは受けられなかったということ。でもそれは決して悪いことではないと思う。そこそこ売れて、まぁまぁ良いねぐらいの評価を受けたもののほうが、忘れられやすい。むしろ若干賛否あるほうが、それだけの作品ということの裏付けになるだろう。いつか再評価される時がきっとくるはず。真実は時の娘。
しかし実際、なぜ大衆にさほど届かなかったのか。若い人には1stの渋いアメリカン・ロックはちょっと不利ではあったかもしれないが、セカンドは正真正銘のロックだった。なぜいいセンスのある若者がいなくなってしまったのか。彼らの音楽を「癒し系で落ち着く」といった評をしているレビューを何処かで見かけた。何もわかっちゃいない。フリッパーズ・ギターが、スピッツが、サニーデイ・サービスがその裏に隠し持っていた、パンクというものを。久々にそういうスピリットを持った岡田拓郎という若者が出てきたことを僕は喜んでいる。