幸せな結末

Happy End

愛はどこへ行ったの

僕らの時代にサニーデイ・サービスはいなかった。でもシャムキャッツというバンドが同時代に存在し、成長の瞬間に立ち会える。それは本当に幸福なことだ。「GIRL AT THE BUS STOP」が今年屈指の名曲なのは言わずもがな、他の曲にも駄作がない。20分に満たないランニング・タイムだがアルバムとしての主張がはっきりと出ている。ジャケットを飾る女性のようにしっかりと前を見て進むということ。『TAKE CARE』しながらね。このアルバムに登場する人たちは他人ではない。一人一人が自分を映す鏡のように、僕に語りかけたり背中を押したりする。そういう意味で本作品は正しく『AFTER HOURS』の続編である。

さっき、大学に入りたてのころによく聴いていた音楽を振り返っていた。クラムボンの当時の新作なんか、かなりくる。あの頃が一番寂しかったかもしれないな。つながりたいのにつながれない。こんなはずじゃなかった感。5月病だったのかも。いまああいう感情を持ち得ないことが少し寂しい。まぁ、来月からガラリと環境が変わるから、良くも悪くも生きてるって感じがするかもね。決して短くはないこの数年間、台無しにしてるんじゃないかって思う時もあったけれども、もうどうだっていいや。まだ大きな無限大が、みんなを待ってる。

最近はどういう音楽が自分にとって素晴らしいのか、どういう音楽が好きなのかを考えていることが多い。それこそ中村一義のようにその人の命のような音楽なのか、あるいはもっと軽くてさりげない心のダイナミクスを切り取った3分間のポップ・ソングなのか、もっと抽象的で捉えどころのなく、でも匂い立つような芳醇な空気の振動なのか。まぁ、どれにしたって自分にとって素晴らしい音楽であることには変わりないから、比較するのは野暮か。

乃木坂46の最近の活動にいまいち乗り切れない自分がいる。なぜだろう。メンバーたちはかわいいし面白い。新曲は可もなく不可もなく。ダンスはかっこいいけども。やはり初期の幻影を追い続けているから?運営の過剰な西野推しが目立つから?個々の活動が増えるのはいいことだけでは無いと危惧しているから?そういう要素が少しずつ絡み合って興味のインテンシティが落ちてきている。まぁ今月の『MdN』は非常に楽しかったし、乃木坂の作品主義なところはさすがだなって思ったし、まとめは相変わらず見てるんだけど。もう少し様子見か。