幸せな結末

Happy End

スローモーション

乃木坂46_10thシングル『何度目の青空か?』総評。今日のミュージックステーションで披露された表題曲は、シリアスなヴァースに始まり、コーラスでメジャーに転調する明と暗のコントラストが鮮烈な一曲。乃木坂の記念すべき10枚目のシングルは、曲とは全く関係のない事件(後述)と発売日が重なることで、違った意味を持つ運命になってしまった。アンダー楽曲は、悪くはないが特別良くもない。ただ評価したいのは井上小百合が満を持してセンターになったこと。実力の割にいまいち跳ねないさゆにゃんの人気だが、これを期に覚醒することを期待している。アンダーライブでも鬼気迫るパフォーマンスを魅せているようだ。8th~9thで大きな成長を遂げた伊藤万理華との「選抜に最も近い選抜ボーダー」コンビは乃木坂の未来そのものである。現役女子高生のみで構成された小洒落たテクノ・ポップ「私、起きる。」は、すっかりお馴染みになったAkira Sunset氏の作曲(「気づいたら片想い」、「狼に口笛を」、「そんなバカな...」ほか)で、この人の振り幅に感心させられる秀作。低音の出方がそこいらのアイドルとは違う。「転がった鐘を鳴らせ!」はメロディック・ハードコアと呼ばれるジャンルの音楽だそうで、自分はこの分野はあまり知らないけれども乃木坂にはなかったタイプの曲。おそらくBPMは乃木坂の中でも一番速いのでは。相変わらず重箱の隅を突くような音楽を振り分けてきやがる。ネタが無くなる。実際、メロコアだけでなく「Tender days」というカントリー調の佳作もモノにした。この曲の歌詞も好きで、アイドルが歌って何の意味があるのか分かりかねるが、秋元康の趣味が大きく出たというところか。94年組による「遠回りの愛情」は、MVが無いことで過小評価に繋がりそうなことが残念なほどの名曲。ベース気持ちいい。これ、さよならポニーテールが歌ってもハマるだろうな。実はふっくん作曲だったりして。

総じて10枚目という節目らしい、気合がひしひしと伝わるラインナップだった。

だからこそ今回の松村沙友理のスキャンダル発覚はやはり残念だ。俯きがちな今日のMステも痛々しくて見ていられなかった。まっつんに対する今後の対応がどうなるかわからないので、まだ見守ることにしたいが、ひとつ言えることがある。やはり松村沙友理という人間は魅力的だということ。アイドルとしてはやってはいけないことをしたことは事実で、罪は償う(誇り高き乃木坂のエースの言葉を借りるならば「戦う」)べきだろう。真面目にやっているメンバーに示しが付かない。解雇だったとしても、仕方がない(実際、大人の事情でそれは出来ないようだ)。しかし、脳内がお花畑状態になり周りが見えなくなったまっつんも容易に想像でき、それがまっつんの良さの一つであると僕には思えるので、今回の件で彼女の人格を100%否定はできない。
とにかくこの件はまだまだこれからという感じなので、ゆっくり見守ることしかできない(そもそもアイドルを見守る以外のことは出来ないのだけど)。

さて明日は中森明菜のデビュー・アルバムとサニーデイ・サービスの4年ぶりの新作が届くので、もう寝よう。