幸せな結末

Happy End

Half a Person

会社の飲み会で、いまの若者たちは欲がないという話になった。僕もそうだ。欲しいものはないのかと聞かれて、すぐには思いつかなかった。ただ、(この話はしなかったけど)僕は大学・大学院と7年通ったうち、少なくとも5年間は友だちと呼べる人は一人もいなかった。そんな社会性ゼロの人間が、就職できただけでも奇跡という他ない。拾ってくれた会社には感謝している。とにかく、そんな人間だったから、会社に入って普通に他者と何か一緒に作業したり、ちょっとした頼み事をされたり、食事をするというだけでも幸せなのだ。人間関係も悪くない。そんな環境で平穏無事に一日を終えて、家に帰って好きな音楽を好きなように聴ける。それだけでいい。さらに幸運なことに、週末には愛すべき恋人と逢える。それ以上何を望むというのだろう?