幸せな結末

Happy End

Sounds of 2014



2014年よく聴いた12、3の曲たち(2013年以前リリース)。


Daft Punk | Get Lucky | 2013

Harpers Bizarre | I Can Hear the Darkness | 1967

Nick DeCaro | Happier Than The Morning Sun | 1974

Ned Deheny | If You Should Fall | 1976

The Clientele | We Could Walk Together | 1997

Fleetwood Mac | Dreams | 1977

ラブリーサマーちゃん | あなたは煙草 私はシャボン | 2013

井上陽水 | 帰れない二人 | 1973

松任谷由実 | ランチタイムが終わる頃 | 1983

Blondie | Heart of Glass | 1978

中森明菜 | スローモーション | 1982

岡村靖幸 | だいすき | 1989

サザンオールスターズ | 夏をあきらめて | 1982


2013年は個人的にアイドル・ポップの年だったが2014年は特に決まったブームというものはなく、ふわふわ気ままに聞きたい音楽を聞いていた気がする。アイドル・ポップブームの流れを受けて中森明菜を聞いた(それほど嵌ったわけではないが)。あとはいわゆる名曲、名盤をしっかり自分の中に染み込ませること。新譜はあまり聞かなかったと思ったが意外と75枚ほど聞いていて少し驚いた。しかし2013年ほど豊作ではなく、(一部を除いて)小粒な作品が多いという印象が強い。そしていよいよ邦楽:洋楽の比率が極端になってきた。洋楽は歌詞がわからない。正確に言えばわかるけれども、サイクルの早い現代においてはそれを調べて解釈している時間がない。だから手っ取り早く理解できる日本の音楽を聞く頻度が上がる。そういう単純なことと思う。あとは「売れているから」。ポップな音楽を好むようになり、当然ヒットチャート上位の曲もチェックしたくなる。しかしヒットチャート上位に洋楽はテイラー・スウィフトアリアナ・グランデなど一部のポップスターに限られる。なぜ売れている音楽を聞きたいのだろう。誰かと共有したいのだろうか。やはり社会とつながりたい(あるいはつながっている気になりたい)のだろうか。

"社会とつながる"?

そう、何と言っても2014年は就職活動が大半を占めていたのだ。しかし上に挙げた曲たちは統一感に欠ける。陽気な曲もあればシリアスな曲、マイナー/メジャー(知名度的な意味で)な曲と様々で、要はそういう気分で就活していたということだろう。ただ王舟の素晴らしいデビュー作『Wang』や、松任谷由実『パール・ピアス』などは面接終わりの電車の中で虚しくかつ切なく響いたのは印象深い。


さて待ちくたびれたデビュー・アルバムをようやく今週リリースする乃木坂46の2014年はどうだろう。いろいろなことが起こりすぎて一言ではいえないが、相変わらず毎週の一番の楽しみが『乃木どこ』の自分がいることに変わりはなかった。結局平和でのほほんとした乃木坂と、作品の中で輝くメンバーが見られれば充分満足である。今年はドキュメンタリー映画の公開があるようで、握手会はもちろんライブに行ったことすらない自分でもこれは観に行こうと思う。ただ映画を観るのはやや怖い。乃木坂は(AKB48的な)ドキュメントではなくファンタジーを作り続けてほしいと思っているからだ。しかしこのご時世、裏側もすべて見せていくのが今のアイドルなのだろう。ただそれをエンターテインメントとして昇華させているグループはすでにいる。でんぱ組.incだ。


"めっちゃくちゃのドキュメンタリー
それが僕らとってのファンタジー"
(「サクラあっぱれーしょん」)

"フェアリーテイルでも聞いたことがないくらい 最低で最高な物語
ねえ 誰かにとってネバーランド
これでいいのなら このままでもいいのかな
そこに正解なんてないんだから"
(「でんぱーりーナイト」)

2014年のでんぱ組は本当にすごかった。2月にリリースするアルバムは一体どこまで行ってしまうのだろうか。『WORLD WIDE DEMPA』がドキュメンタリーであったのに対し、次のアルバムはその先、つまりファンタジーを見せてくれるに違いない。