幸せな結末

Happy End

ビュッフェにて

もしあなたが日本人としての感性を失いたくないなら、松任谷由実の音楽を聴くべきだ。

松任谷由実『時のないホテル』(1980)
同『昨晩お会いしましょう』(1981)
同『PEARL PIERCE』(1982)
を無限ループで聴いていれば、彼女の書く言葉とメロディが日本人史上最も優れたものであることに気付く。また、「(アレンジャーである)夫は私の100倍、天才です」と言った彼女の言葉も、頷ける。3枚それぞれにサウンドの一貫したテーマがある。

僕は、ユーミンといえば荒井由実時代こそ至高と考える古いタイプの人間だった。つい最近までは。しかし80年代前半のユーミンは、初期にはなかった洗練さを備え、独自の詩情あふれるソング・ライティングを保ちつつも大衆性すら獲得し、誰も到達し得ない領域にまで足を踏み入れている。特に、以上で挙げたアルバムは、僕がこの数年間最も聴きたかったようなサウンド・プロダクションで、いろいろタイミングが合った感ある。80年代後半以降の作品はまだじっくり聴けてないが、いつかタイミングが合う時が来るはずだし、その時が待ち遠しい。一気に聴くのはなんかもったいない気がするから、まだ聴かない。



満を持して生田絵梨花をセンターに据えた乃木坂46の10枚目。いくちゃんがセンターとして復帰するというのはある程度予測できた。曲調も、彼女の崇高で壮大な雰囲気にあった曲だろうと予測できた。ジャケ写、アー写についても、初期の乃木坂に寄せた感じで予測できた。予測というのは往々にして願望でもある。つまり今のところ、10thは怖いくらいに願望通りのシングルだということ。生駒ちゃん同様、いくちゃんセンターで5枚ほどやるかもしれない。真の意味での2代目センターとして。MVもきっと、期待通りの出来だろう。久々に運営はいい仕事してる。欲を言えば、やはり純正乃木坂でこのシングルを見たかったけど。前回、フロントに生生星待望論を説いたが、縦に生生星(堀)という粋なフォーメーションを組んできた。ここに乃木坂のこれまでとこれからを見た気がする。いずれにせよ、今回のシングルは本気だ。9thはやはり噛ませ犬だった。ここで一気に勝負をかけ、乃木坂46を一段上のアイドル・グループに押し上げるつもりだろう。ここで思いの外伸び悩んだら、もう後がないと思っていい。