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しあわせになろうよ

自分の中で2013年は何と言ってもアイドル・ブームだった。4月にトマパイ、クレア、乃木坂46を聴いて、その後Negicco東京女子流を聴いた。『あまちゃん』もブームに拍車を掛けた。7月頃に乃木坂の全メンバーの顔と名前を知る。以降毎日ブログをチェックするほどまでになった。常に何かしらのイベントがあったりして、興味を尽きさせないようなスケジュール戦略がアイドルの世界にはあることを知った。そんな感じで年末を迎えてまた一波あった。でんぱ組.incのニュー・アルバムが素晴らしい。正直、いくつかのシングルを聴いた段階では、アニメ声の歌唱、音の情報量の多さや、過剰なまでの転調にいまいち入り込めなかったが、なんとなくアルバムは良い予感がして、気づけば発売日の次の日に買っていた。そのあまりにも個性的な音に慣れるまで時間はかかったけど、今はそれが癖になってしまった(今年は、自分の耳の適応能力に本当に感心した一年だった)。特筆すべき曲をいくつか。まずネオアコ~渋谷系マナーの木暮晋也作曲「冬へと走りだすお!」。このタイトルが「Walk Out To Winter」への愛のある無邪気なオマージュであるとするならば、アズテック・カメラ~小沢健二~でんぱ組.incのラインの出来上がりである。「イツカ、ハルカカナタ」はいかにもソニー系のアイドルが歌っていそうな王道歌モノ。トマパイが歌っていても不思議ではなかった。でんぱ組は歌も普通にうまい。agehasprings蔦谷好位置が、最新鋭の電波ソング「VANDALISM」を書いたことは衝撃的ですらある。YUKIのヒット・ソングなど、いわば王道ポップスをたくさん書いてきた作家が、こんな刺激的で挑戦的な曲もモノにしているなんて。「W.W.D」「W.W.D II」、前山田健一渾身の力作がなければ、でんぱ組の曲がここまでリアリティを持って奥まで刺さることもなかったに違いない。それを経た上での「でんでんぱっしょん」が圧倒的に素晴らしい。僕はまだこの曲をどういう風に、どういう表情をして聴けばいいのかわからない。速すぎてノレないし、歌えもしない。ただそのエネルギーに魂が震えるだけ。そのエネルギーとは、やけくそなポジティブさというか、やけっぱちな前向きさのようなもの。それは小沢健二中村一義の曲にも通じるような気もする。これはロックンロールだと思う。アイドルの曲で涙が出るなんて、去年の今頃は考えられなかった。でも僕は変化を恐れない。

アイドルを聴くようになったというのが今年の大きな変化だけど、その背景にtofubeatsの存在は欠かせない。トーフくんは本当に自由に好きなものを好きだって言えるのが、羨ましいし、自分にとって新鮮だった。アイドル聴いてても恥ずかしくないし、むしろ普通なんだ。それと並行して最先端のクラブ・ミュージックを追っているという姿勢がいいなと思う。トーフビーツの影響もあり、宇多田ヒカルのファースト・アルバムを再評価した。トーフビーツ人脈でPR0P0SE&嫁入りランドの「しあわせになろうよ」も最高のパーティー・トラックだった。今年は総じてビートが大事だな、ってことに気づいた。オーソドックスなビートが好きだ。最近はヴァネッサ・パラディ発のガール・ポップにおけるモータウン・ビートにすごく興味がある。

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